安全に低温調理をするときに留意する点をまとめた記事がございますので、こちらをご参照ください。
>> 低温調理のルール 〜6つのポイント〜
低温調理では高温による殺菌が出来ない為、食の安全に留意する必要があります。
飲食店の様に不特定多数の方に給仕する場合は特に注意してください。
・清潔な道具を使う → まな板や包丁等に微生物をつけない
・新鮮な食材を使う → 微生物に汚染された食材を使わない
・食材に直接触れない → 手の微生物を食材につけない
・温度帯を管理する → 食材の微生物を繁殖させない
汚染されたまな板や手で食材を扱えば、食材表面が汚染されます。
汚染された包丁で食材を切れば、食材内部が汚染されます。
上記の衛生管理基礎を徹底して2次感染を防いでください。
調理後は90分以内にお召し上がりください。
調理・保存時には細菌が増殖しやすい5 〜 55℃の温度帯を避ける様にしてください。
タイマー終了後は速やかに食べるか冷蔵して上記温度帯で放置しないようにしましょう。
【調理後の保存方法】
冷蔵保存:調理後90分以内に4℃以下(チルド温度帯)に冷却し3日間冷蔵保存可能
冷凍保存:調理後90分以内に4℃以下に冷却して、-18℃以下で1ヵ月間冷凍保存可能
上記は未開封及び袋内部に細菌が発生していない場合に限ります。保存中に袋が膨らんだ場合は、細菌によるガスが発生してる可能性があるので絶対に食べないでください。
上記は、低温調理が危険という意味ではありません。
美味しさとリスクを理解し、絶妙な調理温度を狙うことが可能になり調理の次元を上げることができます。
普段からお寿司やお刺身であれば全ての微生物に対するリスクがありますし、レバ刺しや生ユッケが禁止されたのは殺菌対策が出来ないからです。店舗で鳥刺しを食べたり、レアのステーキを食べたりすれば、調理温度帯によりこれらのリスクはどこで食事をしても常に存在します。逆に、この様な正しい知識を得ることで正しい選択が出来るとも言えます。
例えば、50℃でステーキを低温調理して、最後に片面1分づつ180℃の火力で焼き目を付けた場合、肉表面は殺菌され、肉内部には51℃以上で生存できる微生物による食中毒の可能性があるという事です。
食材の内部汚染を防ぐには、汚染された包丁を使わないことや、新鮮で衛生管理の行き届いた店で食材を買うという事になります。もしくは、美味しさを犠牲にして調理温度を上げ内部まで殺菌することです。
この様な知識があれば食中毒を防ぐことができ、低温調理で美味しく調理することが可能になります。
【温度別菌の増殖〜死滅】
90℃ - ノロウィルス死滅温度(ウィルス性)
75℃ - 腸管出血性大腸菌 (O-157等)死滅温度(細菌性)
70℃ - サルモネラ菌死滅温度(細菌性)
63℃ - カンピロバクター死滅温度(細菌性)
55℃ - 様々な微生物が増殖・毒素生成する温度(この温度帯を避ける)
5℃ - 〃
4℃ - 冷蔵保存温度帯(微生物が増殖出来ない)
-18℃ - 冷凍保存温度帯(微生物が増殖出来ない)